今夜は、3月31日(日)に、いわき市文化センター大ホールで開催されました
『菅野優子・添田哲平 ジョイントコンサート』のもようをお送りしました。

スタジオのお客様は、
ソプラノ・菅野優子さん、ピアノ伴奏・菅野里実さん　でした。
里実さんは菅野先生の娘さん。今夜は母娘でスタジオに来てくださいました（＾＾）

今回のコンサートは、
2年前の震災以降、不安を抱きながらの生活が続く中で、
それでも少しずつ元気になり、現実に立ち向かわなければいけないという気持ちで
開催を決めました。

また、菅野先生の恩師が昨年お亡くなりになり、
先生に教えていただいたことを形にしたい、との思いもあったそうです。

共演したのは、浪江町出身のピアニスト・添田哲平さん。
県立原町高校を卒業後フランスに渡り、パリ高等音楽院を1等賞の成績で卒業。
現在はウィーンに生活の拠点を置き、ヨーロッパを中心に活動しています。

菅野先生と添田さんの出会いは、添田さんが中学生の頃。
以来、15年以上にわたって交流が続き、コンサートなどでも数多く共演されています。

また、里実さんは添田さんに師事したこともあり、
昨年は2週間、ウィーンでレッスンを受けてきたそうです。
新鮮で貴重な経験ができた、と話してくれました。

菅野先生は今回、シューベルトへの想いを語ってくださいました。
シューベルトは、高校生だった菅野先生に大きな感動と音楽の喜びを与えてくれた存在。
「シューベルトの音楽は格調高く、気品があり、自由だけれども、折り目正しい。」
「シューベルトは別格。こう生きるんだよということを音楽を通して教えてくれた。」
と言います。
いわば、音楽の原点、核となるもの、だそうです。

同時に、「やればやるほど光が遠のくというか、難しいんですよ。」とも。

私たちは何気なく聞いてしまう曲ですが、
シンプルであるがゆえに、そのままシンプルに表現することには難しさがあるんですね。

里実さんは、卒業演奏でシューベルトの曲を弾いたそうですが、
「歌の伴奏をすることで、形式の中でうたうことの難しさを感じました。」
とのこと。

型があってこそ、型破りできる。
自由とは、好き勝手やることではなく、
規則や法則、型があってこその自由だと思うのです。
「形式の中でうたう」とはつまり、そういうことなのかなぁ～と思います。
（わかりますか？わかりますよね？？（＾▽＾；；）

菅野先生と里実さんの共演は大きなステージでは2回目だそう。
里実さんに、お母様との共演はどんな気分？と伺ったところ、
「音楽をする上では、コンビです。
声楽家は自分に合った伴奏者を探すのは大変と言うけど、
私たちは親子ということは関係なくいいパートナーを見つけたって感じ。
だからお互い、厳しいですよ。」とのこと。
菅野先生も、
「私たち、気が合うのよ。それは親子だからってことではなく。」

本番中も、「もっとこうすればよかったね」「ここはこうじゃない？」など、
対等の関係で意見を交わしている様子が見られ、
それは、音楽家、演奏家としてお互いを認め合っている証なんだろうな、ということが伝わってきました。

菅野先生とはこの番組でも何度もお話をさせていただいていますが、
里実さんときちんとお話しするのは今回が初めて。
里実さんの話し方、音楽に対する姿勢はとても落ち着いていて、冷静で、
何と言うか、音楽（物事）の良し悪しを平等に判断できる目（耳？）を持っている、
という印象。
若いのに（去年大学を卒業しました！）しっかりしてるなぁ～！(笑)

今年、演奏活動32年目に入った菅野先生。
ご自身のソロ演奏の他にも、合唱団の指揮・指導や子供たちの発声・合唱指導など、
いわきに根ざした活動を地道に、且つ精力的に続けていらっしゃいます。
添田さんのような共演者や、里実さんという新たなパートナーを得て、
今後もまだまだ、そしてますますご活躍されることを期待しています♪

さて、このジョイントコンサート、
9月25日(水)には東京・市ヶ谷のルーテルセンターで開催されるそうです。
菅野先生、添田さん、里実さんの再びの共演、たくさんの方に楽しんでいただきたいですね♪

5月23日の「音楽会の夕べ」は、4月20日(土)に中村病院で行われました
『中村病院コンサート』の予定です。
どうぞお楽しみに♪