今夜は、10月26日（日）に、いわき市文化センター大ホールで行われました
『いわき三曲連盟演奏会』のもようをお送りしました。

スタジオのお客様は、
いわき三曲連盟会長で尺八(琴古流)の佐藤烽童さん、
同じく事務局長で尺八(都山流)の雲藤伶山さん、
生田流宮城社・明絃会会主の鉄 あけみさん、
明絃会の小学3年・緑川遥香さん、瑞の会の中学1年・池内愛梨さん　でした。

三曲とは、「箏」「三味線」「尺八」の3つの音楽を指します。
いわき三曲連盟は、福島県内でも最も歴史ある三曲連盟として昨年50周年を迎え、
現在、箏14団体、尺八4団体の、合わせて18団体、130名ほどが加盟しています。
（三味線の団体がないのは、箏と三味線は演奏者が共通するものであるため、だそう。）

年に1回開催しているこの演奏会に加え、学校での訪問演奏や、様々な演奏会、イベントで、
邦楽の魅力を伝え続けています。
今回の演奏会には、15団体・およそ100名が参加し、
それぞれの社中ごとの、「味」のある演奏を披露しました。

主に、生田流と山田流がある箏のうち、鉄さんが会主をつとめる生田流の明絃会には、
子どもから60代の方まで、多くの生徒さんが通い、お稽古されています。
皆さん、長く続けている方が多いそうですよ。
「一人ひとりの個性が伸びるように、ひとつひとつの階段をのぼるように、
きめ細やかな指導を目指しています。」と、鉄さんはおっしゃっていました。

そんな鉄さんの教室で、小学1年生から箏を習っている遥香ちゃん。
週1回の教室でのお稽古のほか、おうちでもしっかり練習しているそうで、
鉄さんも、「よくお稽古してるなぁ～とわかります。」とのこと。
演奏会では、宮城道雄作曲の『狐のお嫁さん』を4人で演奏。
「本番は緊張して、間違えちゃったところもあったけど、
最後までちゃんと弾けたから、よかったです。」と話してくれました。

愛梨ちゃんのおうちは、和楽器店・山形屋さん。
身近に箏があったので、いつからやってるとか、何がきっかけで始めたとか、ではなく、
「気づいたら箏を弾いてました。」
本番では、宮城道雄の『二軒の雨だれ』を、瑞の会の3人で演奏しました。
「一番最初で間違えて、『やっちゃった』と思って笑っちゃった。
でも、他はよくできてたと思います。」と話していました。
おうちでもお稽古してる？と聞いたら、食い気味に「やってません。」と答えてました(笑)が、
歌いながら弾くことなども、小学生の頃から自然とやっていたようで、
箏を弾くことが、日常生活にすっかり溶け込んでいるんでしょうね～。

そして、尺八のお二人。
佐藤さんの琴古流は、江戸時代に、黒沢琴古によって創始されたもので、
一方、雲藤さんの都山流は、明治時代に入ってから創られた流派だそう。
流派が違えば、使用する楽譜の書かれ方や表現の仕方が違うため、
琴古流の人が都山流の楽譜を見ても演奏できないし、その逆もまた然り、ということですが、
佐藤さんも雲藤さんも、それぞれの流派にまたがって尺八を勉強されているそう。
「どちらもやることで、表現の幅が広がるし、楽しいですよ。」と、佐藤さん。
「日本の音楽は『間』の音楽。音符が書かれていない部分も大事だし、
五線譜に表せないものもある。」と、雲藤さんもおっしゃっていました。

普段の生活ではなかなか触れることの少ない、琴や尺八の音楽。
ですが、現在でも様々な曲が作られ、例えばジャズ風に聞こえる曲があったり、
今年話題になった『アナと雪の女王』も、楽譜が出ているそう。
(あの坂本龍一さんも、琴とオケの協奏曲を作ってるみたいですよ。)
聞いてみると、意外と馴染みやすい音楽なんだな～、と感じました。

いわき三曲連盟の皆さん、年明けからも演奏の機会があるそうですので、
皆さんにもぜひ、邦楽に親しんでいただけたら、と思います♪

さて、今年も一年、たくさんの方々にスタジオにお越しいただきました。
皆さん、ありがとうございました。
また、番組を聞いてくださった皆さん、メッセージを寄せてくださった方にも
感謝・感謝です！
来年も変わらぬご愛聴をよろしくお願いいたします。

2015年最初の「音楽会の夕べ」は、1月8日・木曜日です。
1月8日の「音楽会の夕べ」は、
10月31日（金）に、いわきアリオス音楽小ホールで行われました
『山崎典子ピアノコンサート』の予定です。
どうぞお楽しみに♪