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スマイルいわき情報局 Petit

2022.01.07 by 番内将充
1月7日 コロナ禍のボランティア団体の取り組み その1(番内将充調査員)

新年を迎えて、今年こそはと期待される面も多いと思いますが、いまだコロナ禍の影響は続いています。今回は、昭和55年から、勿来地区で、障がい者の働く場所として続いている「NPO法人なこそ授産所」の理事長 高村 トミ子さんに、コロナ禍での施設の活動や、利用者の方の様子などについてお話を伺いました。

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1、NPO法人 なこそ授産所

開所から今年で42年となるなこそ授産所は、長年、勿来地区において、障がい者の働く場所として続いています。”障がい者が毎日楽しく働く場”として、日々作業をしている中で、笑顔と働く喜びの絶えない施設ということです。

こうじを倍以上入れた昔ながらの手づくりみそです。1年間じっくりとねかせた美味しいみそです。おふくろの味をぜひご賞味下さいませ。多くの人のやさしい心がぎっしりとつまった(ボランティアさんの手と地域の人との協力)美味しいみそです。

こうじを倍以上入れた昔ながらの手づくりみそです。1年間じっくりとねかせた美味しいみそです。おふくろの味をぜひご賞味下さいませ。多くの人のやさしい心がぎっしりとつまった(ボランティアさんの手と地域の人との協力)美味しいみそです。(HPより)

開所当時から現在まで、一貫して製造しているものは”お味噌”。
原料となる麹用のお米は、これまですべて地元の協力農家さんから寄付していただき、通常の味噌に比べて麹の量が倍以上使用された高級味噌は、「しあわせ味噌」の名前で、協力者をはじめ、地域の皆さんに購入していただいていました。
平成4年から植田町の歩行者天国に出店し、利用者のみなさんと一緒に店頭販売を行い、その後様々なイベントに積極的に参加し、長年にわたってしあわせ味噌のファンを増やし、販売も含めて障がいを持つ利用者の方に働く楽しさや喜びをボランティアスタッフとともに分かち合ってきました。
この施設や活動を続けるうえで、何よりも大切なことは、地域の皆さんの協力だったと高村さんは仰っています。現在も、勿来地区はじめ、多くの会員企業や協力者の方に支えられて、地域の障がい者の働く場所を続けていられるとお話下さいました。

 

2、コロナ禍における授産所の現状と利用者の様子

主に味噌の製造を行ってきたなこそ授産所では、コロナ禍でのニューノーマルな取り組みの一つである検温をはじめ、衛生面でも常に注意して活動をしていましたので、感染予防については、より意識を高めながら、これまで通り行ってきたそうです。
しかし、利用者の中には、これまで通りのことができない、どうして制限があるのかわからない、マスクを着けていられない、また、目に見えないウイルスというものに対して不安を隠せないなど、心の面での動揺が目に見えて伝わる方もいらっしゃったということです。
また、何より利用者の皆さんはダンスや踊りが大好きで、作業開始前に体操として取り入れたダンスを楽しみにしているそうですが、そこでもソーシャルディスタンスや声を出すことの制限など、今までしていたことができないということに、ストレスを持ってしまう方もいたそうです。

そして、これまでイベントなどで多くの販売を行ってきたしあわせ味噌の売り上げも減少してしまいました。昨年、7月から9月までは、ほとんど仕事としての作業がない状況にまで陥りました。しかし、働きたい利用者がいることから、授産所を休むことは考えませんでした。
しあわせ味噌と野菜の定期的なセット販売や、手作りの雑巾の販売、干し芋の販売など、食にまつわる作業に加えて、草むしりや不用品の回収・片付けの手伝いなどを仕事として行い、利用者の賃金確保に様々な取り組みを行ってきました。

 

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また、協力者や会員企業向けに発行している「授産所だより」のお届けに合わせて、しあわせ味噌の注文書を同封するなど、利用者の活動を積極的にお伝えするとともに、授産所での活動をさらに支援していただけるような取り組みも行うようになりました。
これまで自然に触れ合う機会が多かった利用者と協力者や地域の方々という関係性が、コロナ禍の影響で、触れ合うことへの制限が強くなってしまったことに、本当に不安が広がったという高村さんですが、これまで通り、心のこもった何かを使って、授産所の様子を知ってもらいたいとの考えから、お知らせは極力、利用者の方の直筆の文字、絵、そして描けない方には〇、×などの記号を載せて作っているそうです。

 

3,利用者の笑顔にいつも元気をもらっています

コロナ禍の影響で、これまで通りの活動が困難な状況が続いていますが、様々な制限がある中、毎年恒例であるクリスマス会も、一昨年よりも内容をよりこれまでのもに近づけて開催することができました。レクリエーションを楽しむ利用者の皆さんや保護者の笑顔が、自身の活力そのものですと話す高村さん。これまでも利用者の頑張る姿や笑顔から、多くの気付きを得て、そして何よりも元気をもらってきたということです。
働くことの対価として賃金を得るということに繋がりますが、そこは障がい者でも健常者でも同じで、働く喜びに変わる一つであるという考えのもと、これからもたくさん仕事をして、みんなで楽しく、笑顔になりたいと考えているそうです。
コロナ以前には、利用者やスタッフ皆さんの目標として、稼いで旅行に行く!というレクリエーションが続いてきたそうです。
これまで国内はおろか、海外旅行にまで出かける機会をみんなで達成してきたという強いバイタリティーで、引き続き授産所の活動を盛り上げていきたいということです。高村さん、有難うございました。

 


NPO法人なこそ授産所(福島県授産事業振興会HP)

しあわせみそ紹介ページ(福島県授産事業振興会HP)

なこそ授産所 みそ販売所
植田町:南自動車工業所、キムラヤパン店、山際初子さん
仁井田町:自立生活きらきら
電話:0246-84-7102 FAX:0246-84-7103

錦町:なこそ授産所
電話:0246-63-3352 FAX:0246-68-7084
(※ご注文はFAXでお願いします)

ー番内‘s調査ファイル-