今夜は、7月20日（月・祝）に、いわき市文化センターで行われました
『平FG合唱団 第49回定期演奏会』のもようをお送りしました。

スタジオのお客様は、
平FG合唱団、いわきメンネルコールのテノール・金成聡司さん　でした。

今回の演奏会は、混声合唱組曲「水のいのち」全曲をメインに据え、
泉中学校合唱部と、いわきメンネルコールに賛助出演をお願いするなど、
金成さんにして「『挑戦する演奏会』だった。」とのこと。
50年以上の歴史のあるFGとして、新しい試みに挑んだ演奏会だったようです。

その挑戦のひとつ、合唱組曲「水のいのち」の全曲演奏。
高野喜久雄作詞、高田三郎作曲のこの曲は、出版部数が大変多く、
日本で「『第九』よりも歌われている」とも言われている名曲です。
「雨」「水たまり」「川」「海」「海よ」の5曲で構成されており、
空から降り注ぐ雨が、水たまりとなり、川となって流れ、海へそそぎ込み、
やがて再び天に上り、雨となって地上に降り注ぐ・・・
水の循環＝いのちの循環をうたった、壮大な曲となっています。

実はこの曲、今年2月に行われた合唱連盟いわき支部の合唱祭で、
泉中、小名浜一中、植田中と、一般団体の合同で歌われました。
FGの指揮者・田中孝雄先生が、練習ではずっと指揮をしてきましたが、
本番では別の先生が振ったため、「いつかぜひ全曲演奏をしたい！」と願っていたそうで、
今回の演奏会でそれが実現したわけです。

また、いわきメンネルコールが発足時から指導を仰ぎ、今年3月に急逝した
桐原たい(※代の下に巾）純先生が、メンネルコールで最後に指揮をした曲が
「水のいのち」の終曲『海よ』でした。
思いがけず、「思い出に残ってしまった曲」と金成さんがおっしゃったように、
メンネルコールのメンバーは勿論、いわきで合唱をしている皆さんにとっても、
印象深い、思い入れのある曲となりました。

金成さんによると、
「曲自体はそれほど難しくはないんですが、精神性が深いというか、
魂が天に上って再び地に下りてきて、といういのちの繰り返しを歌っている深い曲で、
自分たちも歌いながら、どんどん曲に入り込んでいくんですよね。」とのこと。
また、「桐原先生、曲を聞きながら、（もっとうまく歌えと）天国で怒ってるかもしれませんね(笑)」
と金成さんはおっしゃってましたが、いえいえ、こうして再び皆さんで歌ってくださったこと、
喜んでくださってるんじゃないでしょうか？

そして今回、賛助出演してくれたのは2つの合唱団です。
泉中合唱部は、創部6年目、部員数46名の女声合唱団。
「練習は全員で始まり全員で終わる」をモットーに、
チャレンジする気持ちを忘れず、歌う仲間を大切にし、指導してくださる先生を信じて、
校外活動も活発に行っています。
「皆、元気で明るくて、ほんとにうまいんですよね。」と金成さん。
私も、中学生らしい明るく素直な歌声が好印象でした♪

いわきメンネルコールは、平成20年に生まれた男声合唱団で、
30代～80代半ばの20名ほどで活動しています。
現在は、FGの指揮もされている田中先生と、平子大樹さんが主に指導にあたられており、
桐原先生が残してくださったものを胸に、これまで以上に精力的に活動しています。
金成さんはこちらの団にも所属していて、メンネルでは、
「いろんなことにチャレンジしよう！皆で楽しもう！という気持ちで歌っています。」
この番組で男声合唱をご紹介する機会はあまり多くなかったので、
私としては、聞いていて新鮮でしたし、やはり、皆さん楽しんで歌っているということが
歌声から伝わってきましたよ。

FGは、いわきで最も歴史ある合唱団であり、福島県でも2番目、3番目に古いという団です。
50年以上続けてこられたのは、代々の団員がそれだけ情熱を傾けてきたということでしょうし、
その情熱を若い世代が引き継いできたからだと思います。
今回の演奏会からも、合唱に対する熱い気持ちと、真摯な姿勢が感じられました。
これからも、いわきの合唱を牽引する団として、活躍してくださることを願っています。

そして、次回の演奏会はいよいよ、50回目の節目の回。
「まだ何も決まってないんですよねぇ～。」という金成さんですが、
どんな演奏会になるのか、期待されてる方も多いと思います。
次もぜひ、美しい歌声を聞かせてくださいね。

9月3日の「音楽会の夕べ」は、
6月21日（日）に、いわきアリオス音楽小ホールで行われました
『ピティナ ピアノステップ』の予定です。
どうぞお楽しみに♪