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スマイルいわき情報局 Petit

2021.09.10 
9月10日 コロナによる人権侵害!キーワードは法務局?(番内将充調査員)

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昨年、新型コロナウイルスの流行が始まってから、急激かつ世界規模の感染流行など、私たちの生活を激変させました。それだけ大きな変化が生じたこの出来事に対して、不安に思わない人はいないと思います。しかし、不安な気持ちが大きくなりすぎて、感染者や濃厚接触者、そして医療従事者、エッセンシャルワーカーなどに対する差別や偏見という人権侵害につながる例も少なくありません。これまで様々な人権問題に携わってきた法務局の人権擁護機関でも、このコロナ差別の相談が寄せられているということです。今回は、福島地方法務局いわき支局にお邪魔して、コロナ禍の人権擁護活動などについて伺ってきました。


1、法務局での人権擁護活動

福島地方法務局 総務課 民事専門官 三浦 茂樹さん

     福島地方法務局 総務課
        民事専門官 三浦 茂樹さん

法務局の人権擁護機関では、様々な差別や虐待、ハラスメント等の人権問題を解決に導くために、電話やインターネットでの相談を受け付けています。
その中には、コロナ禍における感染者などに対する差別やいじめ、SNSなどのインターネット上での個人情報や誹謗中傷の書き込みなど、人権侵害にあたる行為に対する相談も見受けられるということでした。
寄せられた具体例などを挙げると「ある学校で感染者が発生したという理由で、その学校の制服を着ていたある生徒が、病院での診察を断られた」などというものだそうです。このような事例が全国的に見られることから、コロナ差別は決して他人ごとではない身近な人権問題として、人権の尊重を意識していただければということでした。

・コロナ差別の様々なケース(法務省・全国人権擁護委員連合会パンフレットより)

①医療従事者やエッセンシャルワーカーとその家族への差別や偏見
②感染者とその家族への差別や偏見
③思い込み、過剰な反応による差別や偏見

こういった状況が目立つと、医療従事者やエッセンシャルワーカーの離職が増える可能性があるなど、感染対策や日々の生活への影響が考えられます。不安な気持ちからの悪意のない言動、行動でも人権侵害につながることがあります。正しい知識と情報をもとに、ごく身近なこととして考えてみませんか。

法務省 新型コロナウイルスに関連して ー差別や偏見をなくしましょうー

新型コロナウイルス感染症 信頼できる知識と最新情報(厚生労働省)


2、人権擁護委員

いわき人権擁護委員事務局長 鵜沼 理人(みちと)さん

    いわき人権擁護委員事務局長
          鵜沼 理人(みちと)さん

法務局の人権擁護機関では、人権擁護活動に関する地域の相談パートナーとして、人権擁護委員とタッグを組んで、様々な活動を行っています。
人権擁護委員は、市区町村長が議会の承認を得て推薦し、法務大臣が委嘱したボランティアの方々で、いわき支局内には44名いらっしゃるそうです。これまでや現在、教員や警察官、弁護士、僧侶など様々な職業の方が携わってきました。
鵜沼さんの話によりますと、人権問題はコロナ差別だけではなく、現代は特にインターネットによるプライバシーの侵害や誹謗中傷が多く、他にも、子どものいじめ・虐待・体罰、そして、原発事故に伴う風評に基づく差別など、本当に多岐に渡るものです。そんな中で、身近に相談ができない状況にある、悩みを抱えた人がいらっしゃるということです。まずは話を聞かせてもらいたい、思っていることを話していただくことから、問題解決に向かうことが始まることも多いということです。

・人権問題に関する相談の受付窓口

電話による相談
みんなの人権110番     0570-003-110
こどもの人権110番     0120-007-110
女性の人権ホットライン  0570-070-810
福島地方法務局いわき支局 0246-23-1651

インターネット人権相談
http://jinken.go.jp

多くの方法で相談ができます。また、秘密は固く守られますので、悩みがある方はまずは相談をしてみてください。相談を伺ったうえで、法律的なアドバイスや専門的な機関の紹介などを行います。また、重大な人権侵害行為があった場合、法務局が行為を行った相手方などの調査を行い、被害者の救済活動に取り組みます。
インターネットを利用した人権侵害については、プロバイダー等に情報削除を求めるなど、適切な対応に務めています。


様々な人権問題は、コロナ禍の状況だけではありませんが、コロナ差別によって起こりえる感染対策へのマイナスな影響は、コロナ収束に向かう大きな壁にもなると感じました。コロナ対策のひとつとして、マスク着用などの新しい生活様式に負けないくらいコロナ差別をなくしていくことも、より身近な問題としてみんなで意識して過ごしていきましょう。お話を伺いました三浦さん、鵜沼さん、ありがとうございました。


関連サイト

福島地方法務局

ー番内‘s調査ファイル-