蛭田まい(以下蛭田):
いわき市の子育てにまつわるさまざまなお話を伺うみんなでサポトーク。5月のゲストをご紹介します。「児童発達支援センターわくわくキッズ」管理者 新妻陽子さんです。よろしくお願いします。
新妻さん
よろしくお願いします。
蛭田
さあ、2週目となる今回はどんなお話でしょうか。
新妻さん
はい、前回ですね、私どものわくわくキッズにこんなお子さんお通いです。と話をさせていただいたんですけれども、そもそも私どもが得意としている子育てのお手伝いをするお子さんたちは、発達障害という診断を持ちのお子さんから、診断まではいかないけど、ちょっと(それに)近くて、子育ての苦労が多いんですみたいなお子さんまで様々なんです。
なので、いつもその親御さんが、「うちの子、発達障害ですか?普通の子ですか?」みたいに聞かれる。この辺りの違いについて、ちょっとお話させていただきたいなって思っています。
蛭田
お願いいたします。
新妻さん
はい。そもそも『普通』ってなんだろうって思うところは、私、すごくあるんですけれど、でも、一般的には、機能というか。オギャーって生まれた時にですね、もうA型の子はA型。時々病気で血液型変わることもあるんですが、B型の子はB型みたいな話は、みなさん疑問なく思っておいでだと思うんですけれども、普通っていう言い方は私どもはしてなくて、定型発達って言い方をしているんですけれど。
この定型発達のお子さんと、発達障害っていう診断をもらうお子さんは、見た目では違いはほんとわからないです。世の中的には、知的障害を多くお持ちですよっていうダウン症のお子さんとかは生まれた時にわかるんですけれども、この発達のその違いがあるお子さんは、100パーセントわかんないですね。あ、100パーって言っちゃいけないのかもしれない。科学は進んでるのでね。
で、脳の情報処理の仕方が違うっていう風な説明をするんです。パソコンとかスマホでイメージしていただいたら分かるかなと思うんですけれども、iPhoneとAndroidとか、その辺のスマホって操作が違う。当たり前ですよね。
パソコンだとWindowsとAppleのパソコンは操作が違いますよね。
蛭田
はい。
新妻さん
その積んでるOS、その情報処理の違いがあれば、プットアウトされて出てくるものも違うし、プットインの仕方も違うんですよ。これとおんなじなんだけれど、育ててみないとわからないので、親御さんや幼稚園、保育園の先生たちはとっても戸惑うんですね。多数派の子たちのことはよくわかるけど、少数派の子供たちのことはわかんないわけですよ。
蛭田
そうですね。
新妻さん
だから、『障害』っていう、その看板というか冠というかをつけてあげることで、その子たちが生きていきやすいように、どうやって守ってあげるのか。合理的配慮をその子たちがゲットしやすくなるのが、診断を受けて障害名をもらうということであって、世の中が「違っても、全然オッケー」って言ってくれたら、このなんとか障害とかっていうのはいらないんじゃないかと私は思ってたりします。
蛭田
なんかね、こう、言葉だけ聞くと、すごく重く受け止めてしまう、親御さんとしては。でも、守るために今この言葉があると。でもきっと未来はこんな言葉がなくてもいいような、これからなっていってほしいなっていう願いはね、多分皆さん、新妻さんも含めてお持ちだと思うんですが。
新妻さん
そうですね。親御さんが、さっき一番最初に言った『普通』だと思って育ててたら、幼稚園や保育園さんから、みんなと同じことできないから、どこそこに相談に行ってとか言われて、親御さんはほんとにギャピーンですよね。
で、泣きながら色々検査というかね、相談に行ったら、なんとかかんとかって言われてきたんですって言って、私どものところにご相談に来る方がほんと多いんですよ。あとは、一番気づきやすいのが、やっぱ言葉をなかなか喋らない。これは気付きやすいですよね。
蛭田
うん。
新妻さん
でも、男の子だと3歳過ぎまで喋んないのあるよなんていう巷の評価というか話もあるので、それを聞いて安心してたけど、やっぱり喋りませんみたいなのは、やっぱりずっと不安に思いながら子育てしてる中で明らかになってことなので、この辺りは、違うということにやっぱ大きな重みがあるなって感じることはありますね。
で、違うだけなのでその違いさえ分かって、取説、というかですよ。だって、パソコンだってスマホだって、その機械の使い方覚えないとうまく使えないでしょう。
蛭田
そうですね。
新妻さん
だから、子育ても、「この子にこんなやり方すればいいんだ」さえわかればいいだけであって。なので、その違うっていうことが大丈夫だっていうその情報も世の中に渡っていったら安心感が違うよねって思ってはいます。
蛭田
なんかね、違うって言うだけで、こう、ちょっと……それも個性なはずなのに、難しいところ。
新妻さん
そうです。はっきり言って、親御さんの立場で違うって言われただけでビビりますよね。
蛭田
いや、びっくりしちゃいます。
新妻さん
みんなと一緒でいいですって思いますよね。それは否定する気はないし、そうだと思うんですね。
でも、皆さんが思ってるほどネガティブな問題じゃないっていうことも知っていただきたいし、逆にネガティブにならないように世の中が変わってってほしいと、本当、切に思いますね。
蛭田
ほんとにそうですね。こう、どうしても長い歴史の中での今があるんですけども、なかなかこう……今こんなにね、多様性、多様性なんて言われてますけども、まずそこなのかなっていう風に、ちょっと私も個人的に思ってしまう。
新妻さん
そうなんです。
蛭田
もうちょっと柔軟に考えられると。そうすると、言われた親御さんも、うわ。ってならずに。違う目線で子育てが楽しめるかもしれないですよね。
新妻さん
そうなんですよね。
蛭田
今日、発達障害の子と、定型発達……『普通』と言っていいのか、なかなか言葉選びが難しいんですけども、定型発達の子との違いっていうことをお話いただきましたけども、すごい大きな違いというよりは、ほんのちょっとここがとか、うん、ちょっとしたことなんだなって。今日お話聞いてて思いました。
新妻さん
そうですね、ちょっとしたことなんだけど、でも、やっぱり、周りにいる人にとっては、大きな違いって感じる事実はあるのかもしれません。
蛭田
そっか。
新妻さん
やっぱり、言葉で一生懸命しつけているのに、そのしつけが届かないは、親御さんにとって苦しいですよね。だから、そこはやっぱり大きな違いがあって、その言葉で叱るみたいなしつけは難しいんですよって話は私はよくします。叱らないでこうやって教えましょうみたいな話になりますね。
蛭田
そうか、もうそこが取説ですね。
新妻さん
そうですね。
蛭田
いや、すごく興味深いお話を、していただきました。
新妻さんには、こう、まだまだ今月お話伺っていきますので、今日はこの辺で失礼したいと思います。
みんなでサポトーク。今日は、「児童発達支援センターわくわくキッズ」管理者 新妻陽子さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
新妻さん
こちらこそありがとうございました。
蛭田
来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>