蛭田
いわき市の子育てにまつわる様々なお話を伺うみんなでサポトーク。
今月のゲストは「特定非営利活動法人 ままはーと」理事長の笠間真紀さんです。よろしくお願いします。
笠間さん
よろしくお願いいたします。
蛭田
先週はですね、子育てにおいての関わりをお伺いしました。障害をお持ちの方が通ってらっしゃる施設ということでお話を聞いたはずが、世のお母さんみんなに言えるようなお話で。心配じゃなくて、寄り添って一緒に楽しんでいこうよっていうようなお話をしていただきまして、私もこうズドンと来るところがありました。ありがとうございました。
子育てという視点から見た団体の活動について、今週も伺いたいんですが、どうでしょう。スタッフさんもたくさんいらっしゃるっていうことで、看護師さんやリハビリの方と共有しなきゃいけない部分ってあると思うんですけど。
笠間さん
はい、ありがとうございます。やはりうちの施設は、いわゆるプロ集団が開設した事業所ではないです。私だったりとか、当事者、母親が立ち上げた施設なので、やはりこう、専門職と意見が合わないっていう時も、当初の頃はやっぱりありまして。
蛭田
ありますよね。
笠間さん
はい。やっぱり、特にその医療職、看護師さんだったりリハビリ職とかは、元々勉強してきた方が、このリハビリをやったら歩けるようになっただったりとか、入院してこのお薬をやったら治ったとかっていうところが、根底にあるっていうか。ただ、やはり障害っていうものは治るものではないので、その特性を知って、この子はこんなことがってできる、こんなこともできる、と。あんなこともできない、こんなこともできないじゃなくて、なんでしょう、引き算じゃなくて足し算で。あんなこともできる、こんなこともできるっていう風に見ていただきたいんですよね。
だから、いわゆる素人が立ち上げた施設で、一番大事にしてる部分は、やっぱり子供の笑顔とか、あとご家族の笑顔。「ファミリーセンタード」って言われるんですけど、ご家族中心、本人中心っていうところを本当に最も大事にしていて。特にうちに通ってるお子さんたちは、障害プラスその医療的ケアが多い子も多いので、どうしてもそのケア重視になりがちなんですよね。
この何時にこのケアをしなきゃいけないとか、何時にこうとか、次はこうとか、1日のスケジュールが結構きっちり決まっている。ただ、ケアだけになってしまうと、なんか病院のような、入院施設のようになってしまうので。うちの施設では、活動したりとか、一緒にお友達と遊んだりとかっていうのがやっぱり大事なので。子供ってね、子供の中で育ちますから。遊び最重視で、それを大事にしながら、活動してます。
蛭田
そうですか。その、やらなきゃいけないことがあるスタッフさんに、もうちょっと遊ぼうよっていうのは、笠間さん、言ったりするんですか。
笠間さん
言っちゃいます。多少、1時間も2時間だと大変でしょうけど、10分20分ずれたとて、何かその子の1日に多大なる影響があるっていうのは、ほとんどないので。お薬の時間とかきっちり決まってる子は、もちろんそれを優先しなきゃいけないってこともありますけども、そうでなければ、多少ずらしたりとか、そういうのは体調とか見ながら、柔軟にやってますね。
蛭田
スタッフさんとしっかりとそこの部分を共有して、同じ方向を向いていけてるっていうのはすごくいいですね。
笠間さん
40人いて、みんながみんな同じ方向っていうのはなかなか難しい場面も出てくるかもしれない。福祉職と医療職ですり合わない、みたいな時もあるんですけども、やっぱりそういう時こそコミュニケーションっていうか、話し合って相談しながら、みんなでじゃあこうしていこうっていう形で今できてるので、すごく私も安心して任せられます。私も我が子が通ってますので、やっぱり我が子を安心して預けられる場所が欲しいと思って作ってますから、その方向に行くように。
蛭田
そっか。そもそも、そうでしたね。我が子が楽しいところでないとね。
先ほどね、笑顔を一番にっていう風におっしゃってましたけども、本当にその笑顔が消えないようにするのが、やっぱそこにいる大人たちの一番の仕事かもしれない。
笠間さん
そうですね。やっぱりお母さんたちって、子供たちがお話できなくても気が付くんですよね。
楽しかったか、そうじゃなかったかって。ちょっとした目の動きとか、表情とかをお母さんたちはわかるので。今日はいっぱい目いっぱい遊んできたんだねとか、もう充実してきたんだねっていうのはお母さんすぐすぐわかる。逆だと、あら、今日はつまらなかったのかしらみたいな、そういうのもやっぱり気がつきますから。子供たちの笑顔があると、お母さんも安心するでしょうし。
蛭田
そうですよね。
笠間さん
安心してお母さんもお仕事なり、他の兄弟さんの行事に参加するなり。安心して任せていただける場になっていきたいなと思ってます。
蛭田
そっか。私、思い出したことがあって。
自分の子供がNICUに入院してた時からの、お母さんの友達。検診でお会いするお母さんで、気管切開をしていて寝たきりの状態のお子さん(がいらっしゃる)。私、会って「あら」って声かけると、「今喜んでる」って、お母さんが言うんですね。「女の子に声かけられて今笑ってるよ」ってお母さんが教えてくれるんですけど、私からすると表情がわからないんですよ。でもお母さんがすごく感じ取っていて。今それがごわっと蘇りました。
笠間さん
お母さんって生き物はほんとに特殊だと思ってます。
蛭田
そうですよね。
笠間さん
すごいと思います。
蛭田
この人にしかわからないものっていうのは。
笠間さん
多分、常にいつも一緒にいて、関心を持ってる方だと思います。
例えば、うちの事業所に来て、もし万が一、うちのスタッフが心がなくて、ケアだけやってればいい。来たお子さんを安全に返すまでの決まった作業をするっていうのだったら、私、誰でもできると思うんですけど。そこに心を寄せて、関心を持ってお子さんに関わるからこそ、その微細な動きに気付くだと思います。もちろん、お母さんには敵わない。お母さんがナンバーワンですから。お母さんにはなれないですけど、お母さんの気持ちに寄り添っていくっていうか、そこはすごく大事にしてます。
蛭田
うん。だから、笠間さんをはじめ、ままはーとにいらっしゃるそのスタッフさんたちは、心を寄せて。
笠間さん
そうですね。
蛭田
毎日やってらっしゃるということなんですね。
笠間さん
すごく頼りがいのあるスタッフで、助かってます。
蛭田
今週もあっという間にお時間が来ちゃったので、この辺で失礼したいと思います。
みんなでサポトーク。今日は、「特定非営利活動法人ままはーと」理事長 笠間真紀さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
笠間さん
ありがとうございました。
蛭田
来週もいろいろなお話伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>