蛭田まい(以下蛭田):
いわき市の子育てにまつわる様々なお話を伺う『みんなでサポトーク』。今月は、すくのび広場を運営する「すくのびくらぶ」代表の前澤由美さんにお越しいだたいています。前澤さん、今週もよろしくお願いします。
前澤さん:
よろしくお願いします。
蛭田:
改めて、すくのび広場について私の方から紹介させていただきます。
主に就学前の親子を中心にした『多世代交流型』の屋内広場で、現在はいわき芸術文化交流館アリオス 1階のアートスペースと、いわき市立平第二小学校空き教室マナビィ館第3会議室の2カ所で運営されているというお話でした。この『多世代交流型』っていうのがいいですね。
前澤さん:
はい。親子の広場はどこにでもあるんですけど、親子じゃなくても、いろんな人が関わることで、その親子にいろんなメリットがあるので、 支援者なんかも募集しているので。限定していませんので、誰でもお越しいただければと思います。
蛭田:
はい。通りすがりの、例えばおじいちゃんおばあちゃん世代の方も入ってみて、 お子さんと遊んだりっていう時間も生まれたりするんですかね。
前澤さん:
はい。親子で過ごしてると行き詰まったりとか、あと、お子さんの魅力的なところに、気づかなかったりするんですが、地域の高齢者の方や周りの人は、子供の素晴らしさだったり、 素敵なところを気づいて見つけて言ってくれるっていうのがありまして、お子さんも自己尊重できて喜びますし、自信もつきます。お母様も すごく行き詰っているなかで(そう言われたら)誇らしく思っていただければいいなと思います。
蛭田
そうですね。元気が出ますし、自信にもね、繋がったりしますよね。いや、多世代交流ってほんとにいいなって思いましたね。
で、不定期ですが、学生さんもいらっしゃっているということで。
前澤さん:
はい。すくのび広場は多世代交流と人材育成に力を入れておりまして、その人材育成の部分では、 いわき短期大学に通う、将来保育士さんや幼稚園の先生になる学生さんがすくのび広場で実習をして経験を積んで、 いろんなお子さんとの対応がうまくなってったらいいなっていうことで、実習の受け入れ先になっています。
蛭田:
実際生徒さんが広場に来てみて、どういった感想が聞かれますか。
前澤さん:
はい、最初はお子さんも緊張してます。大人の方も、どうしたらいいか、 どんなふうに遊んであげたらいいかっていう風になって固まってる学生さんもいたりするんですけど、そういう緊張した気持ちもとても大事にして 欲しいと思っています。子供さんも同じ気持ちでいるから、そういう気持ちを忘れないで経験してほしいなと思って。
で、意外と学生さんは何かしてあげようって思うけれども、実際子供から大人にいろんな提案をしたり、 逆に遊んでくれたりもあるので、してあげる、じゃなくて、一緒に遊ぼうみたいな感じで育ち合えたらいいのかなって。
蛭田:
そっか。学生さんからすると年下だから、「遊んであげなくちゃ」っていう感覚になりそうですけど、そうじゃなくて、1人の 同じ人間として遊ぼうっていう感じで触れ合いの時間を持ってるんですね。現場を一緒に過ごすことができるって、すごくいい時間ですね。
前澤さん:
はい。中には、緊張して黙って立ってる学生さんが、子供からおもちゃ持ってきて遊ぼうって言われてるシーンがあると、子供にも助ける場面ってあるんだって。
蛭田:
はい、逆に助けられちゃってますね。
前澤さん:
だからお子さんには、「このお兄ちゃんは将来立派な保育士さんになるんだよ、先生になるんだよ。楽しみだね」って言って。お互い様。
蛭田:
ほんとですね、お互い様の空間ができてますね。
で、このすくのび広場の、ホームページを先ほど拝見したんですが、イベントカレンダーを見ることができまして、とっても見やすくて。
毎月様々なイベントがね、企画されているんですね。
前澤さん:
はい、おおよそ内部スタッフによるイベントであるんですが、手遊び歌とか、音楽、 それから読み聞かせ。あとは、外部スタッフとしては、栄養士さんとか歯科衛生士さんとかが来て、 栄養相談をしたり、歯磨き教室をしてくれたり、噛み合わせとか、お母さんの困りごとを聞いてくれたり。
蛭田:
さっきちょっと聞いたのが、なんかもう今やスタッフになっちゃったっていうお話も。
前澤さん:
講師として何回か毎月来ていたら、ちょっと手伝うわって言ってくれて、楽しくなっちゃったって。
蛭田:
そのぐらいいい現場ってことですよね。楽しいって思える現場で。
そして、通信(制の学校)に通われている学生さんもいらっしゃっているということなんですが。
前澤さん:
はい。以前、通信制の高校に通われている方で、すくのび広場で アルバイトっていう形をとって。人と関わるのが苦手だった学生さんだったんですが、 関われるようになって、受付もできるようになって、東京の方の大学に合格して、今は通っているところだと思います。
蛭田:
そうですか。
前澤さん:
いつからでもやり直しができるって思って、そういう場になったら嬉しいなとも思います。
学校の方からも、そういったのも単位にできるから受け入れてもらえませんか。っていうことで承諾をしています。
蛭田:
そこも連携がしっかりと取れているんですね。こういった方がいるんだよっていうのがわかると、僕も、私も行ってみようかなっていう風になりそうですよね。
前澤さん:
多分、お子さんや利用者さんに支えられてできるようになったのかなって。
蛭田:
この場に飛び込んできてくれたこの学生さんもすごく勇気がありますし、素晴らしいですよね。
あとは、障害を持つ方もお手伝いされているということで。
前澤さん:
はい。スタッフが足りないので、毎回マットを設置して、おもちゃを出して、片付けて、 ていうのが結構大変で、1時間ぐらいかかるんです。だから、マットを運んできて、そして片付けの時は倉庫に入れてくれるっていうお手伝いをしてくれてる障害のある方がいるんですが、とってもありがたいです。ただ、毎回っていうのができなくて、体調に合わせてですが。そういったのもありがたくお願いしたいと思っています。
蛭田:
できる方ができる仕事をするっていう環境が整っているんですね。
利用者さんも嬉しいし、働く側としてもあったかい現場だなと、改めて思いました。
前澤さん:
いろんな人に助けてもらわないとちょっと大変なので、とてもありがたいです。
蛭田:
はい。たくさんお話いただきましたが、今日もあっという間にお時間となっちゃったので、この辺で失礼いたします。
みんなでサポトーク。今日は「すくのびくらぶ」代表の前澤由美さんにお越しいただきました。ありがとうございました。
来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>