蛭田まい(以下蛭田):
いわき市の子育てにまつわるさまざまなお話を伺うみんなでサポトーク。5月のゲストをご紹介します。「児童発達支援センターわくわくキッズ」管理者 新妻陽子さんです。よろしくお願いします。
新妻さん
よろしくお願いします。
蛭田
まずは児童発達支援センターとはどういった施設なのか教えていただけますか。
新妻さん
はい。私がいるところは「児童発達支援センター わくわくキッズ」と申しますが、いわき市内には児童発達支援センターが全部で3か所あります。理由は、10万人に1カ所作りましょうっていうのが国の政策なので。いわき市の人口は約30万人。なので3か所ということで、平窪というところに「エデンの家」というセンター。そして南部、金山というところに「いわき南こどもの家 児童発達支援センター」そして、平の中心部に私ども「児童発達支援センター わくわくキッズ」という3カ所が、市内の児童発達援センターの役割を果たしている事業所になります。
蛭田
もう国の決まりというか、そういうのがあったんですね。
新妻さん
はい、そうですね。福祉事業なので、基本的に国が「こんな福祉サービスしましょう」という法律を作っておいでで、私どもの児童発達支援センターは、児童福祉法っていう法律を根拠にしている事業所なんですけれども、いわき市内には、障害児のための事業所としてですね、全部で今88カ所指定を受けて、私どものセンター3か所も入れてなんですけれど、あってですね。
お年寄りだと介護保険のデイサービスってあるじゃないですか。
蛭田
はい、あります。
新妻
あれの子供バージョン、しかも支援が必要な子のバージョンと思っていただければよくて、小学校に上がる前に入るお子さんたちが使う事業所が児童発達支援事業所っていうんですね。で、小学校に入ると、日本人はみんな義務教育で、全てのお子さんが小学校へ行くので、学校のあと使うっていうことで、「放課後等デイサービス」ってなるんですよ。
蛭田
はいはい。言葉としては、すごくよく聞きます。
新妻さん
事業所数が88ございますので。所々で、「あれ、ここになんかってサービスって書いてある」みたいなところは、多分ご覧いただいているのかなって思います。それで、この88か所、市内にある全部の事業所の中心というか、みんなで手をつなぐためにセンターとしての役割を果たすみたいな、そんな形になっている事業所っていうことになっています。
蛭田
88か所あるんだっていうこととか、いわきにもね、そういった施設がたくさんあるっていうことを、初めて知ることができました。で、新妻さんがいらっしゃるわくわくキッズというところは、上神谷にあるということなんですけども、どのくらいの方が通っているんですか。
新妻さん
そうですよね。私がいるわくわくキッズは、児童発達支援事業っていうサービス形態を1つしているのでうん、そこ(の対象)は小学校に上がる前のお子さんなんですよ。一週間に一度通ってきていただいて、普段は市内の保育所、幼稚園、こども園にお通いのお子さんたちです。なんと一週間に90名弱のお子さんがお通いになっています。
蛭田
そっか。じゃあ、その幼稚園とか保育所が終わってから行くってことなんですか。
新妻さん
通い方は様々で、幼稚園、保育園に行っている途中、ちょっとうちに来るとか。
蛭田
自由というか、そこは柔軟に。
新妻さん
結局、私どもがやっていることって、発達支援、療育っていう言い方をするんですけれども。療育の療は治療の療の字から取っていて、育は保育とか教育の育の字。その合体用語なんですね。これが発達支援っていうサービス内容になっていて、これを使うためにお通いになるのって、例えばうちは1日20名定員なんですが、20人が団体で来られても、それぞれの発達課題は解決できないので。
蛭田
そっか。
新妻さん
なので、この20人がバラバラバラとおいでいただいてる感じでしょうかね。
蛭田
そうなんですね。じゃあ、朝でも昼でもこう、夕方でもっていう感じで。
新妻さん
基本は毎週この時間みたいに計画上決めさせていただいて、週に一回その時間にお通いただいてるって形になっています。
療育って何してるの?って聞かれることが多いんです。
蛭田
気になります。
新妻さん
今一番ご相談が多いのが、言葉のんびりちゃん。なかなか言葉をうまく、言いたい気持ちはいっぱいあるんだけど、言葉としてうまく獲得できてないお子さんとか(の相談)が。
私どもに来てする練習はコミュニケーションなので、「あいうえお かきくけこ」っていう発音であったりとか、「ワンワン」だとか、「ニャーニャー」っていうその単語を覚えるっていうことではなくて、自分が困ってるなら「手伝って」とか、お友達におもちゃ借りたいんだったら「貸して」とかっていう、コミュニケーションの勉強をしてもらってる感じであったりとか。
あとは、手先がぶきっちょな子ってイメージしやすいかと思うんですけれども、そういう子が手を使うのには、まず、どういうことが手でできたらいいかなっていうのの、一緒に遊びながら練習だったりとか。
あとは、切り替えが苦手なお子さんって結構いたりして。切り替えが苦手なお子さんには、物事には終わりと始まりがあるよっていうお勉強で。「続けたいのわかるよ。残念だけどここで終わろうね」みたいな練習をしてもらうって、こんな感じでしょうかね。
蛭田
でも、それぞれにお悩みというか、ここがちょっと、っていうところに、本当にその子に合った対応をしてくださってるってことなんですね。
新妻さん
だから、余計20人がいっぺんに来られても当然対応できない。それぞれのお子さんに、それぞれ何が苦手で、これをこういう風にできるようになったらいいよねっていう計画をお母さんやお父さんと一緒に立てて実践します。
お教室がチューリップとひまわりって2つの教室あるんですけど、その教室にそれぞれ1日10人ぐらいお通いただくイメージで、午前の部と午後の部は2部制、1部2部でお通いただいてるような感じになります。
蛭田
そうなんですね。
新妻さん
そして親御さんも今度、「この子をどう育てていいかわかりません」とかっていう悩みになってたりするわけですよね。幼稚園、保育園から「みんなと同じことができない」とか言われて、親御さん泣く思いですよ。で、そういう所は、「ここが得意で、こんな育て方したらこんなふうにできるようになるよ」っていうのを見つけて差し上げれば、それを親御さんに伝授というか、こうすればいいんですね、みたいなお勉強してもらったりとかして、お家でそれを実践すればいいだけなので。
親御さんと一緒に来るお子さんもいるんですけれど、お子さんだけで通ってるお家の方は、別の日に親御さんに来ていただいて、そういうのを勉強してもらうみたいな。お子さんだけの支援をしている事業所ってことでもないんですね。
蛭田
ああ、ほんとにお子さんだけかと思ったら、親御さんも勉強になるし、子育ての上で。
そうですか。でも、こういった施設があるっていうことは、なかなか、どうやって情報を得たらいいんだろうっていうのが難しかったりするので、ほんとにラジオでこうやってお話いただことで、たくさんの方に知っていただけたらいいなって、私もすごく思いました。
新妻さん
ありがとうございます。私もこの話いただいた時、えー!とか思ったんですけど、やっぱりこういう情報を知らないから、孤独に、もう辛い思いをしながら子育てしている親御さんたち多いんじゃないかと思っていて。じゃあ一度そういうところの話聞こうかと思っていただくだけで、少しでもホッとできる親御さんが増えるのであればと思って今日お話してるので、是非こういう情報をね、皆さんに知っていただけたら嬉しいなと思っております。
蛭田
はい。新妻さんにはですね、この5月、5週に渡ってお話伺っていきたいと思いますので、また来週もよろしくお願いいたします。
みんなでサポトーク。今日は、「児童発達支援センターわくわくキッズ」管理者 新妻陽子さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
新妻さん
こちらこそありがとうございました。
蛭田
来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>