蛭田
いわき市の子育てにまつわる様々なお話を伺うみんなでサポトーク。
6月のゲストをご紹介します。特定非営利活動法人「はなのころ」理事長の西山将弘さんです。
よろしくお願いします。
西山さん
よろしくお願いします。
蛭田
今月は平三倉にある交流ギャラリースペース「はなのころBASE」からお届けしております。
さあ、西山さん。ギャラリーの中には、障害をお持ちの方の作品が所狭しと。絵にとどまらず小物まで並んでいらっしゃって、すごいですねえ。可愛いし、いろんなデザインがあるし。
西山さん
ありがとうございます。
蛭田
バッジだったり、ポストカードだったり、お洋服だったりとか、バックにまで展開されていて。目の前にジーンズとかもあったりして。
西山さん
そうですね。これは、発達障害の方で、大文字で毎日写経を書いてるメンバーがいるんですけれども、その写経の文字を使って、デニムのリメイクズボンですね。そういったものもあったりだとか。
蛭田
なんか、写経っていうのは、何度かね、拝見したことあるんです。古代文字で写経って、すごいですね。
西山さん
浪江町出身の方なんですけれども、震災を機に、心を沈めるっていう活動を始めたっていう方で。それまでは結構落ち着きがなかったり、という話は聞いてるんですけど。これ、毎日何時間か、集中して写経を書かれてるようです。好きなものを見つけて才能発揮できたのかな。
蛭田
そして、今やこうやって、ジーンズにまでなってしまって。新たな命が吹き込まれて作品となって、これがどなたかの手に渡って、って。街中でこれを履いてる人見たら、私、声かけちゃうかもしれない。
西山さん
はい。マグネットとかもこう販売してるんですけれども、やっぱ親御さんが、街中で使ってる人を聞いたっていうのはあります。すごい喜んでもらったりだとか。
蛭田
嬉しいですね、見かけたり、使ってくださってる方がいるとね。
本当に幅広い展開を見せてくださっているんですが、今日は、はなのころさんの活動に参加されている方の御家族にお越しいただきまして、お話を伺っていきたいと思います。
西山さん、御紹介お願いできますか。
西山さん
はい。お子さんが自閉症で、アーティストとして作品も制作して一緒に活動しています、洲崎和美さんになります。
蛭田
はい。洲崎さん、よろしくお願いいたします。
洲崎さん
よろしくお願いします。では、はなのころ、活動を通して感じたことをお話しさせていただきます。
蛭田
お願いいたします。
洲崎さん
本日は子育てひろばへご招待いただきましてありがとうございます。
本人特性で、初めての場所、初めての人、初めての環境が苦手です。辛くなると動けなくなりますが、絵を書くことが大好きです。好きを仕事にしたい、得意なことで社会とつながりたい、生き甲斐を感じたい、活躍の機会を見つけたいを叶えてくれるのがはなのころです。
はなのころでは、サポーターが見守る中、仲間との交流があり、一緒に絵を書いたり、困っていることを話し合ったり、お互いの縁を干渉して認め合いますので、自尊心が高まり、自信につながっているのを日々感じています。
また、ここでできたお友達や仲間の中で癒されて成長しているのを感じています。
はなのころに行くようになってから、笑顔が増えて、楽しいから行きたいと本人が言います。褒めてくれる方がいるので、安心して自分の絵を描いています。周りの絵をとても素敵な絵だと褒めることができます。楽しかったよと笑顔で喜んでくれます。
本人にとって、絵を描くことは生きがいです。親として嬉しいことは、楽しいって喜んでくれること。自ら行きたいと元気に発信してくれることです。元気に明るく成長していく姿を近くで見れることは何よりも嬉しいことです。
はなのころに出会えたことは幸せなことです。日々感謝しております。
これからもはなのころとのつながりを大切に、大好きな絵を描き続けていけるように、ご支援お願いいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございます。
蛭田
ありがとうございます。実は、洲崎さんの娘さんの絵がギャラリーに飾ってあるんですよね
洲崎さん
はい、そうなんです。
蛭田
私も拝見しました。猫ちゃんのかわいらしい絵が飾ってあって。たくさんの方にも見てもらえるし、購入もできますから。ぜひたくさんの方に見て頂きたいですね。
洲崎さん
そうですね。
蛭田
優しい絵だなと感じました。
洲崎さん
ありがとうございます。桜の中の妖精さんだそうで。
花びらの上に猫ちゃんが乗って飛んで、ふわっと乗って、その景色を見てる姿だって言ってました。
蛭田
なんかこう、娘さんの全てがそこに表現されてるんですね。
頭の中だったり、心の中だったりね。すごく可愛らしい。見ててね、すごく癒される絵だなと思って。
洲崎さん
ありがとうございます。
私が今感じてることは、自分がここに来た時、ほかのお子さんが来た時に、外に行けなくなってしまったりとか、あと、お仕事に行けなくなってしまったとか、自分のやりたいことができなくなってしまって、閉じこもってしまった子がね、いらっしゃるんですよね。
で、ここに来ると、皆さんやることがあるんです。
絵を描いたりと。1人では描けないけど、お友達と一緒だったら描けるとか。
ここのソファに座ってる時は、みんなどんよりして、どうしようって悩んでる姿があるんですけど、何日か来られてると、よし、じゃあ今日これやる。一緒にこれ絵描こう。って言ってくれるスタッフがいるんですけど、そうすると、顔が笑ってるんです。
蛭田
すごい。
洲崎さん
で、嬉しそうに作業してるんですよね。絵も楽しそうに描いてるんですよね。
みんなと違うの描かなきゃとか、そういう悩みが消えて、楽しそうに描いてるんです。
自分のほんとに好きなことなんです。で、それが続いてると、よし、仕事行ってみようかなって言って、実際行かれた方がいらっしゃって。あんなにどよんとしてたのが、「仕事行くぞ」っていう気合に変わるというんですか、その1歩踏み出す手前の支援がここにはあるのかなって私は感じてます。
蛭田
すごい、もうどこにも開発することができない特効薬みたいな場所というかね。
洲崎さん
そうですね、心のよりどころ、居場所っていうんですか。
うん、それがここなのかなっていう。はなのころなんだなっていうのを、すごく感じてて。
あの元気な笑顔を見れるのは私も大好きです。
蛭田
なんか元気出ますね、私たちもというか。
洲崎さん
そうですね、私たちの方が元気もらってるんじゃないかなと思います。
蛭田
いや、またいいお話をありがとうございました。
西山さん。今、洲崎さんにお話伺いましたけども、楽しいから行きたいとか、笑顔が増えたとかっていう娘さんからの声って、すごく嬉しいですね。
西山さん
ありがたいですね。毎月1回交流イベントを主催してるんですけれども、洲崎さんの娘さんのAYAさんは、自閉(症)で、初めての場所に行くのはちょっと不安で、行くときには、練習とかが必要なんですね。でも、行きたいっていうところで、2週間通って、練習して、で、本番に来れるようになったんです。で、毎回来ていただいて、作品もみんなの前で発表したいけれど、ちょっとまだ今回は無理っていうのを、半年ぐらい続けたんですかね。
蛭田
時間はかなりかけて。
西山さん
はい。それでも、半年ぐらい経ってからやっと発表できるようになって、すごい喜んでいたのは覚えてますね。
蛭田
そうですか。お母様にもお話伺いましたけども、どんどん前向きになっていく姿を見てこられたでしょうから、嬉しいですね。私もすごくあったかい気持ちにもなりました。
改めて、これからの活動への思いをお聞かせいただけますか。
西山さん
はい。今までできなかったことができるようになっただとか、行けなかったところに行けるようになっただとかっていう人が1人でも増えれば、またそれに刺激を受けて他の方も増えていくのかなっていう思いでいます。
ですので、本人がこうワクワクしてやってみたいだとか、ちょっと自分も他の人と会ってみたいだとか、そういった気持ちが湧いてくれるような取り組みをしていきたいなと思ってます。
蛭田
ほんとにほんとに素晴らしいお話をありがとうございました。
お時間となりましたので、今日はこの辺で。
みんなでサポトーク。今日は、特定非営利活動法人「はなのころ」理事長の西山将弘さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
西山さん
ありがとうございました。
蛭田
来週もいろいろなお話を伺います。どうぞお楽しみに。
<終わり>