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写真はいわき市錦町にあった画廊喫茶モナミです。
今年6月30日、48年の歴史に幕を閉じました。
48年はとても長い年月に思われます。
これだけ長く続けるには様々な苦労があり、工夫や努力で乗り切ってこられたのではないでしょうか。
また、店をめぐってさまざまな方との交流やドラマがあったのではないでしょうか。
閉店した「画廊喫茶モナミ」にいろいろなお話を伺いたくてお邪魔しました。
写真は(6月末撮影)オーナーの渡辺勝彦(わたなべかつひこ)さん洋子(ようこ)さん夫妻です。
今回は渡辺勝彦さんにお話を伺いました。
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「画廊喫茶モナミ」は閉店しましたが、今どんなお気持ちですか?
「ほっとしています。そして、やり切ったという気持ちです」
48年は長い年月ですが一代のお店としてこれだけ続けるのはなかなかできることではないと思います。コツは何だったとお考えですか?
「店を始めるとき最初に考えたのは店のオリジナリティをつくること。
他の人がやらないことをやって差別化をしようということでした。
それでいろいろ考えた結果、画廊喫茶にしようと決めました。
私自身絵が好きです。
また、そのような店にしたら絵を展示する人にもここに来てお茶を飲んだり食事をしたりする人にも喜んでもらえるのではないかと思いました。
当時はいわき市の喫茶店も全盛の時代で、周辺にもたくさんの喫茶店があったのです。
ですが、時とともにどんどんやめていきました
それと絵を描く方たちが発表する場がないという話を聞きました。
そういう方たちに場を提供できるのではないかと考えました。
それで、絵を展示していただく方たちから料金はいただかない。
また、こちらからも、料金は支払わないということで始めました。
当時、有名な画家である北郷喜三郎先生がうちを応援してくださって作家さんたちを紹介してくださいました。
ここから、様々な作家の方たちが巣立っていかれました。
広瀬諭(ひろせさとる)さんなど皆さんに認められる活躍をされるようになった方も少なくありませんでした。
絵画の年間展示計画を作成していたこともあって、作家の方たちにとってここでの展示は励みでありプレッシャーでもあったそうです。
今年で終わりにしようと思われたのはどのようなお考えがあったからですか?
48年なら50年やったらよかろうという話もたくさんありました。
私は今年78才です。これからいろいろなことをして楽しみたい。
妻とともに体力的にも精神的にもゆとりのある状態のときにやめたいと思いました。
特に考えているのは奥さん孝行をしたいということです。
・・・夫人とはご趣味が合うということで、特にこれからは時間に追われずのんびりと旅行できるのが楽しみとのことです。
渡辺さんは他にも車の運転、写真撮影などを趣味としておられるということで、日本全国行っていない都道府県はないとのことです。
いろいろな趣味を持っていらっしゃること、それを共有できる方がいらっしゃることも仕事を楽しく続けられるコツなのかもしれません。
48年の間に災害やいろいろなことがあったと思います。
特に大変だったのはどのような場合でしたか。
「この店のお客さんで特に影響が大きかったのは原発事故よりも新型コロナの方でした。
コロナの問題では自主的に休業しました」
画廊喫茶をやめて今どんなことを感じておられますか。
「やめてからそんなに時間がたっていないのですが、モナミは私にとっても周りの方たちにとっても人が集まることのできる大切な場所だったのだということを強く感じています。
そのような場所をこれで終わりにしていいのかということを考え、これからもこの場を生かしていくために『画廊喫茶』ではなく『貸しギャラリー・モナミ画廊』として再スタートを切ることにしました。
『貸しギャラリー・モナミ画廊』は以下の要領でどなたでも展示をしていただけますが、特にアマチュアの方、地元の方たちに大いにご活用いただければと考えています」
これからも変わらず作家の皆さんを応援していきたいと渡辺さんは熱を込めて語られました。