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このコーナー、2017年2月21日付け記事「11日が来るたびに」で
大震災の津波で行方不明になられた方たちの捜索に当たる警察官の皆さんについてレポートしてから
6年が過ぎようとしています。
今回は岩間海岸の現在の様子をお伝えします。
また、これまでとこれからについて
福島県勿来土木事務所所長の石倉信昌(いしくらのぶまさ)さんに伺ったお話をお伝えします。
=岩間海岸についてお話を伺う前におたずねします。
福島県勿来土木事務所とはどんなところでどのような仕事をしていらっしゃいますか?
「福島県の機関で主に道路や河川、海岸などのインフラ施設の管理や修繕を担当しています」
=担当しているのはどのような地域ですか?
「鮫川水系です。いわき市南部を流れる鮫川は広い領域にわたり支流を持っています。
例えば、勿来や田人、遠野地域などです」
勿来地域の防潮堤や 鮫川河口の堤防が
津波被災をなくすためにかなりしっかりとした造りで完成したと思ったら、
2019年に台風被害が発生し今度は鮫川のさらに上流で洪水対策の堤防が必要となってしまいました。
大変な仕事と感じます。
=防潮堤はどのようなねらいをもってつくられましたか?
「岩間地区には、海側から海岸堤防、防災緑地、県道、宅地が整備されましたが、
今後も東日本大震災のような大災害が来ないとも限りません。
その際に津波被害を軽減するだけではなく、震災の記憶を継承することで
この地域を知る人も知らない人も、日常的に防災意識を持ち続けてもらいたいためです」
=現在の岩間海岸はいろいろな木が育ち緑が増えてきています。なぜ木が植えられたのでしょう。また、どのようなねらいや経緯で木が植えられるようになったのですか?
「防災緑地の計画にあたっては、
地元岩間、小浜、須賀の方たちはもちろん勿来のまちづくり団体の皆さん、
東京芸術大学、芝浦工業大学の先生方のご協力をいただきながら進めました。
また、新たに緑地帯を造ることになり周囲に与える影響が大きいため、
いわき市内の樹木医さんから海岸に適する地域の身近な木についての知見をいただき、
岩間及び小浜地域で集めてきたどんぐりの種を育てるなど、
地元の皆さんが関わり現在のようになりました。
将来的には岩間防災緑地を訪れる皆さんが、黒松の並木道を砂浜を見ながら散歩したり、
秋にはどんぐり拾いができるようになり、地域に愛着を持ってもらい、
震災を語り継ぐ施設になってもらうことを期待しています。」
=現在のように木の周りを柵が囲んでいる状態ではそれは難しいのではないでしょうか
「柵は木が育つまで潮風から保護するためのものです。
木がしっかり育ったら将来的には撤去します。」
=現在岩間海岸はどのような形で使われていますか?
「海岸堤防背後の低い位置にある道は、
『いわき七浜街道』のサイクリングロードとしても利用されています。
また、防災緑地にある少し高いところにある遊歩道は散歩に利用していただいています。
サイクリングロードとして利用されることになったコンクリートの道は、
実は防災のためにパトロール車が通る道です。」
近年平日でもご家族や犬連れなど散歩される方が増えているように感じます。
また、サイクリングの自転車もよく見かけるようになりました。
海岸では釣りをする方たちを必ずと言っていいほど見かけるほか
真冬の今もサーフィンをする方たちを見かけます。
=最後に地域、いわき市、福島県、さらには日本全国からいわき市を訪れる方たちに
どのようなことをお伝えになりたいですか?
「震災の際、懸命に働かれた消防、警察、自衛隊とともに多くの建設業者の方が尽力されました。
また、復旧復興にあたり、他県等から多くの皆さんの力を借りて、現在の姿に戻ることが出来ました。
これまで支援いただいた皆様方に感謝いたします。
さらに、皆さんからも私たちが安全に快適に暮らせるために働いていただいている建設業界の皆様に
感謝の気持ちを伝えていただけたらと思います。そして、建設業界の仕事に携わる方たちが、
これまで以上に誇りと自信を持って働けるようになってほしいと思っています」
石倉所長さんにはこの紙面では到底消化できない程の貴重な情報をたくさんいただきました。
今後の記事に活用させていただきたいと考えています。ご協力をありがとうございました。
(by.たっく)