今夜は、7月25日（金）に、いわきアリオス音楽小ホールで行われました
『有森 博＆長瀬賢弘ピアノデュオシリーズ
ロシア秘選集 Vol.2 「縁・ENISHI」』　のもようをお送りしました。

スタジオのお客様は、長瀬賢弘さん　でした。

ロシアの知られざる秀作を取り上げるこのシリーズ、昨年に続き、2度目の開催です。

今回は『縁・ENISHI』をテーマに、
「19世紀後半のロシアで、民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家の集まり」
である、ロシア5人組を取り上げ、
前半は、日本では耳馴染みのないバラキレフや、合作作品を連弾で、
後半は、皆さんよくご存じのムソルグスキーの『展覧会の絵』を
2台ピアノでお楽しみいただきました。

長瀬さんと、長瀬さんの師・有森博先生が奏でる美しいピアノの音色に、
満員のお客様からは、大きな拍手が送られました。

ロシア5人組とは、当時の芸術評論家によって命名されたもので、
バラキレフ、キュイ、ボロディン、リムスキー＝コルサコフ、ムソルグスキーを指します。
必ずしも共通の作風を決めていたわけでも、常に一緒に曲を作っていたわけでもなく、
5人とも強い個性を持ち、それぞれ自由に曲作りをしていたそうですが、
「ロシアのみならず、西洋全般のロマン派・近代以降のクラシック音楽の歴史において、
非常に重要な一団であった」ということです。

ボロディンやムソルグスキーなどの代表的な曲は知ってますよね。
でも、バラキレフ？キュイ？？・・・というのが、私を含めほとんどではないでしょうか？
「重要な一団」と言われながら、私たちが知っている曲というのは
ホントに限られたものなんですよね～。

今回のプログラムの中で、興味深かったのは、
ボロディン、キュイ、リャードフ、リムスキー＝コルサコフによる合作
『パラフレーズ集～変化のない主題による24の変奏曲と15の小品～』。
「チョップスティックス」と呼ばれるテーマに基づくピアノ連弾曲集で、
ファーストがテーマを演奏し、セカンドが様々な変奏を絶え間なく演奏する、
というものです。

このテーマ、左右の人差し指1本ずつだけで弾けるそうですよ。
人差し指でいいなら私でもできる？！と思いましたが、
いやいや、次々と登場する変奏に合わせてテーマに表情を付けて演奏するのは
そんな簡単なものではないですよね(笑)

こうした、まだ見ぬ名曲に出会えるのが、このシリーズなのです。

さて、長瀬さんとともにご出演されたのは、有森博先生です。
有森先生は、岡山県出身。現在、東京藝大准教授などをされています。
様々なピアノコンクールでの受賞、入賞歴があり、
また、ロシア作品に積極的に取り組む活動を展開して、
ロシア音楽のエキスパートとして高い評価を受けています。
いわきにも何度もいらしていて、演奏を披露されているそうですよ。

長瀬さんは、ロシア留学から戻った後のおよそ2年間、
有森先生のもとで勉強をされました。
有森先生との出会いについて、
「かけがえのないご縁だな～と思います。」と話してくれました。
（ここにも今回のテーマ『縁』がありますね～。）

「先生と一緒にステージに立つことはどれにも代えられない経験。
ステージ上でついていくのは、命がけですよ。」
というピアノデュオシリーズ、すでに3回目に向けて動き出しているそう。
またステキな掘り出し物の曲に出会えそうですね。楽しみです♪

その前に、長瀬さんの演奏、お聞きいただけますよ。
10月6日19：00～　いわきアリオス音楽小ホール
「おでかけアリオス ガラ・コンサート vol.4」

2015年3月18日　すみだトリフォニーホール（東京・墨田区）
長瀬さんの研究テーマであるプロコフィエフのピアノ作品全曲演奏会が
いよいよスタートします。
数年がかりとなるであろう演奏会の始まり、ぜひお楽しみください。

長瀬さんのHPはこちら↓↓　演奏会情報など掲載されています。

http://nagaseyoshihiro.com/

9月25日の「音楽会の夕べ」は、
8月16日（土）に、いわきアリオス中劇場で行われました
『いわきゴスペルフェスティバル 2014』の予定です。
どうぞお楽しみに♪